2013年 かいざわBassFamily コントラバス独奏演奏会

こちらのページでは、
2013年11月9日(土)に横浜で開催された
かいざわBassFamily コントラバス独奏演奏会
の様子をご紹介しています。

【演奏曲目】

以下、動画の公開を許可いただいた方のみ
掲載しています。

次回の演奏会の出演者も広く募集中です。
詳細はこちらをご覧ください。

ピアソラ「キーチョ」(早川さん)

早川さんコメント

これまで弾いてきたクラシックの曲に比べて、
音符の長さやテンポなどの設定が比較的自由で、
いつかこういうジャンルにも挑戦してみたい
と思っていた曲です。

自由度が高い分、それぞれの箇所をどう弾いたら
よいか難しい面もありましたが、
先生には弓の使い方や緩急の付け方など
様々な点をご指導いただき、まとまりのある曲に
仕上げていただきました。

甲斐澤コメント

強い意思に満ちた演奏だと思います。

そして、動画を見るとよく分かりますが、
早川さんは楽器を弾く姿勢が大変素晴らしいです。

身体の重心を低くとっているので、
動きがとても自然に見えます。

特に早いパッセージ弾く箇所では
軸が全くぶれていません。

そういった条件もプラスしてか、
楽器のコンディションも良く、
コントラバス本来の音域が良く鳴り、
骨太の音楽になっていると思います。

プロト「カルメンファンタジー」より(森田さん)

森田さんコメント

エンディングで自分の考えを
取り入れることができました。

先生に教わってきた事ではないので、
守破離の考え方でいう、
破離にあたっていればうれしいです。

ただ、全体にピッチが酷く、もっと
音程の精度を高めないといけないと思います。

甲斐澤コメント

森田さんは、
もともとクラッシック音楽志向というより、
ジャズのセッションを楽しんでいて、
いわゆる「ジャズおじさん」の印象です。

その森田さんがジャズでは
メインで使わない弓に真剣に取り組み、
ハイポジョンを駆使した
難曲カルメンファンタジーに挑戦です。

ジャズのピッチカートを取り入れた
オリジナルのアレンジがかっこいい。

ピアノ伴奏の原田先生の
いつもにも増してノリノリの、
慈しむようなサポート振りも見逃せません。

テレマン ソナタ(第1,2,4楽章)(竹内さん)

竹内さんコメント

リズムも強弱も音程までも勝手きままな癖を
直そうと、敢えて自分のキャラクターじゃないと
思う曲に挑戦しました。

動画を見直してみると、弓の量など
多少改善されたかな?という気がします。

地道にコツコツさらう良い訓練になりましたが、
勝手きままな性格は直るべくもなく、
現在に至っております。(笑)

甲斐澤コメント

趣味で楽しむ分野と思いきや、
敢えて自分のウィークポイントを克服する目的で
挑むことに、まずは感心します。

竹内さんのコントラバスや音楽に対する
本気度を感じます。

「勝手きまま」は、言い方を変えれば
「自由を求める心」だと思います。

制約の多いバロックのソナタの速い楽章でも、
自由に歌おうという抑えきれない想いが
伝わる瞬間があり、胸を打つものがあります。

ボッテジーニ コントラバス協奏曲第1番(第1楽章)(加地さん)

加地さんコメント

ボッテジーニの協奏曲といえば
H-mollの第2番の方が有名ではありますが、
今回はマイナーな第1番、Fis-mollを弾きました。

私はこの曲を、大学生の時に初めて
フランクフルト放送響首席のFurtokさんのCDでの
演奏を聞き、そのカッコ良さに衝撃を受けました。

その時からいつか自分も、と思っていたので、
ここで叶えることができて良かったです。

最後の長大なカデンツァからは、
ボッテジーニが初めての協奏曲の作曲で込めた
想いの熱さが感じられます。

甲斐澤コメント

存在しか知らなかったこの曲を
加地さんの演奏で初めてキチンと聴きました。

ボッテジーニが自分の披露するために
テクニック的な難所を満載した曲を
加地さんは楽しんで弾いています。

おそらく音大生でも
滅多に挑戦しないだろうこの難曲を、
一般大学出の会社員がここまで弾き切るのは、
日本はもちろん、
世界でも類を見ないのでないかと思います。

ラフマニノフ「ヴォカリーズ」(T.Kさん)

T.Kさんコメント

ロマンティックなメロディが綿々と続き、
歌に溢れたこの名曲を練習する中で、先生からは、
テンポを細かくカウントしながら歌うこと、
また、半音の移り変わりが多いので、
コントラバスで練習するだけでなく、
ピアノで音を取って
一個一個の音を丁寧に扱うように教わりました。

弾いていると引き込まれる魅力的な曲なので、
今でも練習でよく弾きます。

甲斐澤コメント

今回のヴォカリーズは、一般的によく弾かれている
ソロチューニング用のピアノ伴奏上に、
Kさんはオケチューニングの楽器で弾いています。

ですから、
通常よりポジションが一音上がりますので、
より難度が上がっています。

そして、この曲は弓が弦に吸い付くような状態で
息の長いフレーズを弾く必要があります。

Kさんはそれをよく理解し、
常時弓が適切な位置に当たっているので、
曲が進むにつれ、
楽器が鳴ってきているのがわかります。

レスピーギ「アダージョと変奏」(江川さん)

江川さんコメント

この発表会の、第1回の時に、
甲斐澤先生がブルッフの「コル・ニドライ」を
演奏なさいました。

とても素晴らしい演奏でした。

今回は、記念すべき第10回とのことで、
先生への敬意を表して、
ブルッフに作曲を学んだといわれる、
レスピーギの作品を選びました。

レスピーギが、師であるブルッフを
深く尊敬していたであろうことが推察される、
とても美しい曲です。

甲斐澤コメント

江川さんの演奏で
初めて耳にすることになった曲です。

演奏以外にも音楽への博識が高い江川さんらしい、
そしてありがたい選曲だと思います。

ブルッフを慕っていたというのは初耳ですが、
なるほどと思わせる叙情性に富んだ
音楽と演奏を聴くことができます。

今後も江川さんによって今後もどんな
聴いたことのない曲が提供されることになるのか、
楽しみです。

ヴィヴァルディ「ラルゲット」(甲斐澤)

甲斐澤コメント

原曲は弦楽合奏曲集「調和の霊感」の中の
ヴァイオリン協奏曲の第2楽章です。

大好きなコントラバス奏者のラバースが
コントラバス用にアレンジした楽譜が
出版されています。

以前、確か当時80歳台だった
チェリスト青木十良先生の伴奏をした時、
この第2楽章の演奏に感動し、
いつかは自分も演奏したいと思っていた曲です。

シューマン「アダージョとアレグロ」(甲斐澤)

甲斐澤コメント

自分の知る限り
この曲のコントラバス用の楽譜はないので、
ピアノ伴奏の原田先生の協力を得て、
転調した楽譜を作りました。

この調ですと、曲の最低音が
ソロチューニングでの最低音のFisとなり、
音域的にコントラバス用に適していると
自負しています。

原曲のホルン的な効果を狙い、
控えめで幅の狭いヴィブラートを意識して
演奏してみました。

ボッテジーニ「カプリッチョ・ディ・ブラヴーラ」(甲斐澤)

甲斐澤コメント

数あるボッテジーニの曲の中で、
エレジーと並んで最も好きな曲です。

私自身の地味な性格と短いリーチゆえに、
ボッテジーニは私向きではないと思いつつ、
年齢的(58歳)に最後と思っての挑戦です。

早いテンポの中でフラジオレットで弾く部分が
難しかったです。

ムーン・リバー(甲斐澤)

甲斐澤コメント

ラバースのジャス・スタンダード曲集の
CDの中の曲です。

曲名はムーンリバーとしてますが、
ムーンリバーのメロディが始る前に、
1エミリーという曲のメロディが入っています。

次回の独奏演奏会の出演者も広く募集中です。
詳しくは以下のページをご覧ください。

発表会出演のお誘い