2014年 かいざわBassFamily コントラバス独奏演奏会

こちらのページでは、
2014年12月7日(日)に横浜で開催された
かいざわBassFamily コントラバス独奏演奏会
の様子をご紹介しています。

【演奏曲目】

以下、動画の公開を許可いただいた方のみ
掲載しています。

次回の演奏会の出演者も広く募集中です。
詳細はこちらをご覧ください。

ピアソラ「キーチョ」(H.Tさん)

H.Tさんコメント

コントラバスのソロでは
クラシックの曲を弾いてきましたが、
違うジャンルにも挑戦したいと思い、
コントラバスがソロを取るタンゴの曲、
A.ピアソラの「キーチョ」に挑戦しました。

柔軟にテンポを変化させ歌いあげる箇所と、
リズミカルな部分とのメリハリなど、
弾いていてとても楽しい曲でした。

速いパッセージも出てくるのですが、ギリギリ
本番までに間に合わせることができました。

甲斐澤コメント

H.Tさんのキーチョ、
大変折り目正しい端正な演奏です。

やはり、それを支えるのは
基本に忠実な楽器の構えと弓の使い方です。

H.Tさんは初期の発表会以来
ほとんど私はレッスンしていませんが、
驚く程私の思う正しい方法を維持しています。

その上に、ご自身で積み上げた音楽的知性と
磨き続けている感性がブレンドされ、
安定した表現を実現しています。

ヴィヴァルディ ソナタ第4番(第1,2楽章)(竹村さん)

竹村さんコメント

何度か発表会を経験し、この年から、
ヴィヴァルディのソナタの全曲演奏に
挑戦してみようと、構想が浮かびました。

最初に選んだのは4番、
譜面が一番簡単そうだったから。

甘かった~(>_<)

しかしながら、やり甲斐も見つけられた曲でした。

甲斐澤コメント

ヴィヴァルディは
私も大好きな作曲家のひとりです。

教会の司祭でもあったせいか、
音楽に癒しの要素が多々あると思います。

癒しといえば、竹村さんの奥様は
着物のグラビア誌から飛び出したような和風美人。

いつも懇親会にも同席され、その存在だけでも
皆さんが癒されている感じがします。

竹村さんがヴィヴァルディ全曲挑戦というのは、
なんか頷けます。

フリーバ 無伴奏コントラバス組曲より「プレリュード」(加地さん)

加地さんコメント

無伴奏組曲といえば、バッハがチェロのために
作曲したものが有名ですが、
この曲はそのコントラバス版のようなものです。

バッハへのオマージュを随所に感じさせながらも、
コントラバスの調弦だからこそ実現するフレーズが
随所に出てきており、コントラバス弾きにとって
重要なレパートリーとなっています。

今回はこの組曲の中から、
プレリュードのみピックアップして演奏しました。

甲斐澤コメント

私自身それほど経験はありませんが、
ステージ上にピアノ伴奏なしで
独りで立つのは大変心細いものです。

そしてフリーバのこの難曲は、
よほどの自信がないと
人前では披露しないものです。

それを加地さんは
勇気を持って弾くばかりではなく、
構成やフレージングも整理し、
音楽として聴かせるまでに至っています。

ボッテジーニ コントラバス協奏曲第1番(第2,3楽章)(加地さん)

加地さんコメント

昨年はこの協奏曲の1楽章を弾いていましたので、
今年は残りの2,3楽章を絶対に弾き切ろう
と思っていました。

演奏される頻度の少ない曲ではありますが、
オペラ歌手が歌うような旋律の2楽章、
コントラバス最高難度の技巧を駆使した3楽章と、
弾く方も聴く方もとても楽しい曲だと思います。

甲斐澤コメント

特に第3楽章が大変素晴らしい演奏です。

めったに聴けない曲の
めったに見れないパフォーマンス。

もはや私には想像の域を超えませんか、
このような名人芸を行なっている最中は、
本人の心中は強烈な快感を味わっているのでは、
と思ってしまいます。

難曲に苦労しているというよりも、
楽しんでいる様が伝わるので、
見ている側も大層心地よいです。

クーセヴィツキー「アンダンテ&小さなワルツ」(T.Kさん)

T.Kさんコメント

ハイポジションの練習も兼ねて、
シマンドルの第二巻の関連箇所を
先生に選んでいただき、
曲と併行して練習しました。

身体から力を抜いて弾くことは
今でも大きな課題ですが、
当時は今以上にハイポジションで
指に力が入ってしまい、苦労しました。

先生からは力を抜くには、
お腹の方に重心を意識することが必要
と教わりました。

小さなワルツでは、半音で移り変わる箇所や、
三連符のスラーを移弦しながら弾く箇所
などが難しかったです。

本番は、ご覧の通りです…。

だけど、弾いて楽しい曲です。

甲斐澤コメント

Kさんの折り目正しいお人柄が反映された
楷書体の音楽になっています。

映像を改めて見て感心してしまうのは、
私が教えたことを、
私以上にきっちりと守っていることです。

例えば、
演奏中に楽器を不必要に動かさない事とか、
ハイポジションになった時に
顔が下向きにならないこと等を忘れていません。

ピアソラ「ル・グラン・タンゴ」(竹内さん)

竹内さんコメント

これはもう無謀としか言いようのない選曲でした。

無謀なのは今に始まったことではありませんが、
最大級の無謀でした。(苦笑)

丁寧に、さらっていつかまた…と
リベンジを心に誓った次第です。

甲斐澤コメント

無謀さは言い方を変えれば、
旺盛な冒険心と言えると思います。

身一つで海外の音楽祭を渡り歩く事もされている
竹内さんならではの、
チャレンジ精神に富んだ選曲です。

自分の限界を超えた処に挑戦する時、
情熱が発生すると、常々思っています。

ピアノの原田先生の絶妙なサポートを得て、
充分に情熱が伝わる演奏です。

ブルッフ「コル・二ドライ」(吉本さん)

吉本さんコメント

以前から好きな曲ではありましたが、
2013年の甲斐澤先生のリサイタルでの演奏
を聴いて、私も是非、先生のレッスンを受けて
この曲を演奏したいと思い選曲しました。

普段はオーケストラや室内楽での演奏が多く、
なかなかソロを弾く機会がありませんが、今回は
学生時代から苦手でもあった「歌う」という事に
特に意識を持って取り組みました。

本番では緊張もあり、
堅くなってしまった部分もありますが、
客席から作り出される温かい雰囲気の中、
楽しく演奏する事が出来ました。

甲斐澤コメント

宗教的な色合いが強く、一説によると
この曲を演奏すると今までの罪が洗い流される
ということを聞いたことがあります。

そんなこともあり、
私も大切にしている曲の一つです。

この曲の持つ気配が
吉本さんの安定した技術に支えられ、
よく醸し出していると思います。

深みのあるピアノ伴奏とピュアな吉本さんの音色が
よくプレンドされています。

バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番(甲斐澤)

甲斐澤コメント

チェリストが生涯をかけて研究する楽曲を、
コントラバス弾きが、
だった1年の練習で人前で披露するのは、
とても無理のあること思い知った体験です。

プレリュード、アルマンド、クーラント、
サラバンド、メヌエット、ジーグ
の6曲からなります。

救いは、最初からサラバンドくらいまでは
挑戦モードでガチガチだった身体が、
メヌエットあたりから漸く柔軟な感じの
歌うモードに変わっていくのが分かることでした。

ラバース「プッヒャ ダス」(甲斐澤)

甲斐澤コメント

インドのシタールで弾くような味わいの曲。

実際、この曲の作者のラバースと
インドのタブラの名手とのコラボが
YouTubeで観ることができます。

楽譜も出版されてますが、
ラバース本人による演奏はアドリブっぽく、
楽譜とだいぶ違います。

映画「ピノキオ」より「星に願いを」(甲斐澤)

甲斐澤コメント

この日の私の演目は
無伴奏のわりとシブい曲ばかりだったので、
最後に親しみやすい曲にしたら、
という妻の助言で急遽決めた演奏です。

伴奏合わせは当日のほぼぶっつけ本番ですが、
ここでも原田先生のうまさが光ります。 

次回の独奏演奏会の出演者も広く募集中です。
詳しくは以下のページをご覧ください。

発表会出演のお誘い