2023年 かいざわBassFamily コントラバスコンサート

こちらのページでは、
2023年10月15日(日)に横浜で開催された
かいざわBassFamily コントラバス演奏会
の様子をご紹介しています。

【演奏曲目】

以下、動画の公開を許可いただいた方のみ
掲載しています。

次回の演奏会の出演者も広く募集中です。
詳細はこちらをご覧ください。

モリコーネ「ニューシネマパラダイス」(演奏:竹内 由起子)

本人コメント(当日ナレーション)

トランペットで演奏されたこの曲を耳にし、なんて素敵なメロディだろう、なんていう曲だろうとずっと気になっていました。たまたま見ていたテレビ番組で「ニューシネマパラダイス」という映画の主題曲だということを知りました。

映画の舞台は、第二次世界大戦直後のイタリア、 シチリア島の小さな村。娯楽といえば村にたった一つの古びた映画館のみ。情報があふれかえった現代からは想像もつきませんが、こんな環境だからこそ主人公の少年は強く映画に憧れたのかもしれません。映画では、少年と映写技師の友情と別れ、叶わなかった初恋などが描かれます。

切なさと懐かしさをたたえたこのメロディで、遠くにいる大切な人や宝物のような懐かしい記憶に思いを馳せて頂けたら嬉しいです。

ピアソラ「キーチョ」(演奏:小作 英太)

本人コメント(当日ナレーション)

キーチョはピアソラが、長らく演奏をともにしたベーシスト エンリケ・キチョ・ディアスに捧げた曲です。この曲には、6度音程と、3:3:2リズムという大きな二つの特色が見られます。6度音程とは、例えば下の音がドならドを含めて6つ目のラとの関係ですが、重音、グリッサンド、進行が特徴的です。6度重音はバイオリンでは、無理なく弦を押さえられるのですが、コントラバスでは楽器の性質上やや不自然な押さえ方をします。グリッサンドは、弦の長さが105cmもあるため、他の弦楽器に比べ大きなアクションになります。6度の進行は、カデンツァとコーダ部分で印象的に弾かれます。ターンターンタタと聞こえる3:3:2のタンゴのリズムは、カデンツァの後のピアノとのデュオ部分の大部分を占めています。

慣れないリズムで困っていましたが、「中華・スープ・付き」と言葉に当てはめてチとスとツにアクセントを付けると良いと聞き、試して見たところ、ターンターンタタのリズムが取りやすくなりました。よろしければ、試して見て下さい。

この曲は多くのアレンジがあるように奏者の自由度が高いようで、私も色々な弾き方、アーティキュレーションを試しています。今日までどのように弾くか決めかねている恐れもありますが、この実験をお付き合いお願いします

エクレス「ソナタ 第1楽章」(演奏:大山 星名)

本人コメント(当日ナレーション)

今年大学生になりました。今回後期の実技試験で演奏する曲の一楽章を演奏します。

この曲は今まで自分が弾いた曲の中で1番ハイポジションの音が多いです。ピアノの伴奏の音を聞いて合わせつつ、自分らしさを出せる演奏にしたいと思っています。また、ゆっくりなテンポの曲なのでしっかり歌いながら演奏したいです。今自分に出来る最大限の演奏をしてこの本番を楽しみたいです。

J.S.バッハ「ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ 第2番 第1楽章 第2楽章 第4楽章」(演奏:中村 伴喜)

本人コメント(当日ナレーション)

この曲は、学生時代にコントラバスのソロコンサートで聴き、いいなと思って当時楽譜を買ったのですが、ソロチューニングやテナー記号を見て、すぐ諦めてそのまま本棚にしまったままになっていました。ここ数年少しソロに取り組み始めたので、改めて挑戦しようかなと引っ張り出してみました。 ふわーっとした1楽章、軽快な2、4楽章の雰囲気が出せたらと思います。

ハーライン「星に願いを」(演奏:N.S)

本人コメント(当日ナレーション)

私は中学校の吹奏楽部でコントラバスを担当しています。コントラバスの発表会に参加するのは初めてです。去年も参加する予定でしたが、文化祭の日と重なってしまったので、今年は出ることができてとても嬉しいです。

吹奏楽部に入部していきなりコントラバスの担当を任されたので習いに行くことにしました。今では自分の楽器を持ち、コントラバスを弾くことが大好きです。

ブラームス「チェロソナタ第1番  第1楽章 第3楽章」(演奏:加地 俊幸)

本人コメント(当日ナレーション)

このチェロソナタは、有名な交響曲第1番が完成するよりも10年以上前、ブラームスが30代前半の頃に作曲されました。

ただ私には、その若い年代での作曲とは思えないほどの深さがある曲のように感じられます。1楽章からは、深い哀愁の情念、内に秘めた激情、儚く過ぎる安らぎの時間、3楽章からは、現実を斜に構えた視点でやや諧謔的に見ながらも、自身が立ち向かうべき困難には真正面から取り組む決意や、時折訪れる美しい瞬間を真正面から美しいと愛でるような気持ちが感じられます。元はチェロの曲ですが、今日はコントラバスで、こういった音楽の深い部分を最大限表現できればと思っています。

ブラームスの父親はコントラバス奏者だった事もあり、ブラームスの中にもコントラバスのような低音の響きのイメージがあったかもしれません。また、ブラームスが名ピアニストだった事もあってか、この曲はピアノパートも非常に重要な役割を担っています。ピアノとコントラバスの掛け合いにもぜひご注目いただければと思います。

今日はこの音楽の素晴らしさを、ここで皆さまと沢山共有できるよう、心を尽くして弾きたいと思います。

レハール「メリー・ウィドウ・ワルツ」(演奏:小作 英太 / 竹内 由起子)

本人コメント(当日ナレーション)

20世紀初め、ウィーンで初演されたこの楽しいオペレッタの中で、最も有名で人気があるのが恐らくこの曲でしょう。

大富豪の未亡人となったハンナに、かつて彼女の恋人だったダニーロは結婚を申し込みたくてたまりません。政治的思惑も絡み、思いはすれ違うばかり。ようやく二人が愛を確かめ合うこのデュエットはソプラノとテノールによって歌われますが、今日は男女逆転。チャーミングなハンナちゃんを小作が、彼女に首ったけのダニーロ君を竹内が担当します。因みにこのオペレッタに由来する「メリーウィドウ」というカクテルがあるのだとか。

演奏を楽しんで頂けましたら、帰り道に、大好きな人とどこかのバーで、ロマンチックなひと時をお過ごしください。
(未成年とお車の方はだめですよ。)

J.C.バッハ「アダージョ」(演奏:T.K)

本人コメント(当日ナレーション)

この曲は、大バッハの末っ子、ヨハン・クリスチャン・バッハ作曲のヴィオラ協奏曲の第2楽章にあたる曲ですが、実際に作曲したのは、20世紀初めの頃に活躍したヴィオラ奏者のアンリ・ギュスターヴ・カサドシュという方だそうです。

当時はバイオリニストのクライスラーも自身が作曲した曲を古い時代の作曲家の名を借りて出版しています。そう言われてみると、バロックから古典派の雰囲気がありつつも、ロマン派のような味わいもあり、最初から最後まで、メロディーが表情豊かに連綿と歌われる素敵な曲です。そうした魅力が少しでも伝わるように演奏したいと思います。

ブルッフ「コル.ニドライ」(演奏:中田 依子)

本人コメント(当日ナレーション)

コルニドライは、このコントラバスコンサートでは人気の曲で、今年、私が演奏することで4年連続演奏される曲、となります。
最初の頃は、すごく素敵な曲だな、という程度の印象でしたが、何回か聴く中で、弾いてみたい曲に変わり、今回演奏することにしました。

コルニドライは、チェロと管弦楽のため作品で、これをコントラバスで演奏する場合は、ソロチューニングで演奏することが一般的と思われますが、今回は、オケチューニングで演奏します。
オーケストラ活動との両立、という理由で、そのようにしたのですが、先生にとってはとても弾きにくく、レッスンしにくい譜面だったと思います。こんなわがままを快く受け入れて下さった先生には、本当に感謝しています。

本日は、普段オーケストラで弾いている楽器そのままで演奏するので、よりコントラバスらしい、深みのある演奏にしたい、と思っています。

ツェルニー「魅惑のワルツ」(演奏:久保田 眞紀)

本人コメント(当日ナレーション)

今回記念すべき第20回を迎えた甲斐澤門下のコントラバスコンサートですが、第1回より通算12回出演させていただきました。

私自身選曲に強いこだわりがあり、
1.他のみなさんと曲が被らないこと
2.過去に甲斐澤門下内でまだ取り組んでいない曲、
3.コントラバス界においてもあまり演奏されていない曲

を探してきました。甲斐澤先生や門下生のみなさんが演奏された曲に憧れを抱く事もあり、来年の第21回は、選曲へのこだわりを思い切って捨てるか、頑なに守り続けるかで迷っております。

本日演奏する曲は、あまり演奏されていないコントラバスオリジナル曲です。作曲者のツェルニーさんは、ピアノの教則本で有名なツェルニーさんとは別人です。コントラバス奏者兼作曲家、さらにはコントラバス指導者として多くの一流奏者を輩出し、教則本やコントラバスの曲を出版されています。しかし、日本のコントラバス界において「教則本の人」というイメージしかなく、私自身もコントラバスオリジナルソロ曲を残されていたことは、近年知りました。私の拙い演奏ではありますが、少しでも良い曲だと伝わると幸いです。

コントラバスコンサート 第20回記念 ミニリサイタル

講師演奏:甲斐澤 俊昭
シュペルガー「ソナタ 第1楽章」
ラバト「Samir」
ストラヴィンスキー「イタリア組曲」(コントラバスバージョン全8曲)
【アンコール】アーレン 「虹の彼方に」

シュペルガー「ソナタ 第1楽章」

ラバト「Samir」

ストラヴィンスキー「イタリア組曲」(コントラバスバージョン全8曲)

こちらの曲は、2024年1月28日(日)洗足学園シルバーマウンテンにて
甲斐澤俊昭リサイタルを開催いたします!

リサイタルで演奏いたしますので、是非会場でお聴きください!

2023年12月1日(金)よりteketにてチケット販売!

https://teket.jp/8582/29585

座席数が限られておりますので、お早目のご予約おすすめいたします!

【アンコール】アーレン 「虹の彼方に」

本人コメント

シュペルガー作曲 ソナタより第1楽章
シュペルガーは、18世紀のオーストリアの作曲家で、コントラバス奏者としても活躍しました。極めて多作の作曲家で、なんとコントラバス協奏曲を18曲も作曲したそうです。

ラバト作曲  Samir
フランソワ・ラバトは現在92歳。この人も優れたコントラバシストで、彼の演奏は数々のCDで聴くことができます。又、フィンガリングとボウイングに革新的な展望を与える “コントラバスの新しい技法”(全5巻) という本も著していますが、ニースの浜辺で、砂の上を歩くカニを見て、新しいフィンガリングを思いついたこともあるのだとか。
彼の曲には強く惹かれるものがあり、今までにも何曲か取り上げてきましたが、今日は初めての曲をお届けします。コントラバスのソロのコンサートでは4本の弦のうち、高い方の2弦のみを使うことが多いですが、この曲では低い方の2弦を沢山使います。コントラバスの最も威力のある低音が味わえる曲となっています。

ストラヴィンスキー作曲 イタリア組曲
一昨年、昨年もこの会で演奏したこの曲を三度演奏します。
もはやこの曲は私のライフワークといっても過言ではありません。
記念すべき第20回で演奏するのはこの曲しかないと思っていました。原曲は、ストラヴィンスキーのバレエ音楽プルチネルラです。
高校生の時に初めて聴いて魅了されたこの曲と、これからもずっと付き合っていくことになるでしょう。常に、より魅力的な、より皆さんに楽しんで頂ける演奏を目指して、コントラバスを演奏し続けていこうと思います。

次回の独奏演奏会の出演者も広く募集中です。
詳しくは以下のページをご覧ください。

発表会出演のお誘い