こちらのページでは、
2021年10月10日(日)に横浜で開催された
かいざわBassFamily コントラバス演奏会
の様子をご紹介しています。
【演奏曲目】
- ブルッフ「コル・ニドライ」(演奏:竹内 由起子)
- 福田 洋介「さくらのうた」(演奏:久保田 眞紀)
- ラフマニノフ「ヴォカリーズ」
- 酒井 麻由香「Romance」
- クーセヴィツキー「悲しみの歌」/「小さなワルツ」(演奏:中田 依子)
- シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」(演奏:加地 俊幸)
- サン=サーンス「アレグロ・アパッショナート」(演奏:中村 伴喜)
- フォーレ「夢の後に」/「子守唄」(演奏:T.K)
- クーセヴィツキー コントラバス協奏曲第1楽章(演奏:竹村 雅彦)
- ブルッフ「コル・ニドライ」(演奏:栗原 佳子)
- ストラヴィンスキー「イタリア組曲」/スタンリー・マイヤーズ「カバティーナ」(演奏:甲斐澤 俊昭)
以下、動画の公開を許可いただいた方のみ
掲載しています。
次回の演奏会の出演者も広く募集中です。
詳細はこちらをご覧ください。
ブルッフ「コル・ニドライ」(演奏:竹内 由起子)
本人コメント(当日ナレーション)
この曲に取り組もうと決めたころ、スロヴァキア人のロマン・パトコロという人の演奏に出会いました。
日本ではあまり知られていない人ですが、ゆるぎないテクニックに裏打ちされた、自由で、歌心に溢れた演奏はとても衝撃的でした。
コル・ニドライとはユダヤ教の重要な祭日に唱えられる祈りのことばですが、パトコロの演奏を聴き続けたせいか、
私にとっては、優しさと強さを併せ持つスラヴ人の魂を強く感じさせる曲となっています。懐かしいスロヴァキアの友を思い出しながら演奏したいと思います。
福田 洋介「さくらのうた」(演奏:久保田 眞紀)
本人コメント(当日ナレーション)
この「さくらのうた」は2012年の吹奏楽コンクールの課題曲となった曲です。
コロナ禍になる直前の2020年1月に、友人の吹奏楽の演奏会に出向いたところこの曲の演奏がありました。私自身その時に初めて聞いたのですが、どこかなつかしく、どこか切ないメロディーにとても魅了されました。
暫くこの曲を忘れることができず、調べてみると、作曲者の福田洋介さん自身による様々な楽器のソロのための楽譜があるとわかり、ご本人にコンタクトを取り、未出版である楽譜を直接提供して頂きました。
吹奏楽の為に書かれた曲を、コントラバスのソロで演奏するとどんな雰囲気になるのでしょうか。
「春」の曲ですが、「秋」にぜひお聴きください。
クーセヴィツキー「悲しみの歌」/「小さなワルツ」(演奏:中田 依子)
クーセヴィツキー「悲しみの歌」
クーセヴィツキー「小さなワルツ」
本人コメント(当日ナレーション)
今年は憧れのクーセヴィッキーの小品から、2曲を選んでみました。
小さなワルツは、コントラバスの曲とは思えない、かわいい感じが気に入っていた曲だったので、挑戦してみたい曲として、最初に選びました。
一方で、悲しみの歌は、小さなワルツと同じ作曲家、ということで、なんとなく選んでみた曲でした。
ただ、レッスンを重ねるうちに、悲しみの歌の音に込められた感情をどう表現するか?を、試行錯誤する時間が楽しくなってきて、結果、悲しみの歌も、大好きな曲となりました。
本日演奏する2つの曲は、対照的なイメージの曲ですが、それぞれのイメージを自分なりに表現出来たら、と思っています。
シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」(演奏:加地 俊幸)
本人コメント(当日ナレーション)
全3楽章からなり、演奏時間は25分弱の大曲です。
2楽章から3楽章は切れ目なく演奏されます。
アルペジョーネというのは、作曲された1824年当時には存在した、小ぶりなチェロのような、6本の弦からなる弦楽器です。
現在ではアルペジョーネは博物館でしか見られないような歴史上の楽器となっていますが、シューベルトによるこのソナタ作品は、その素晴らしさから、ヴィオラやチェロ、コントラバスによって演奏され続けています。
「派手さ」や「きらびやかさ」はあまりない曲ですが、一切の無駄が削ぎ落とされた純粋なメロディーはただただ美しく、聞き飽きる事がありません。
起伏が激しすぎないドラマ構成も現実の日常生活や人生模様とかけ離れる事がなく、だからこそ共感をいだきやすく、曲への感動を深いものにしているように思います。
この曲は2012年、2016年に甲斐澤先生が演奏されていました。私はその時の演奏が深く心に残っており、いつか自分でも演奏したいと思っていました。
本日は皆様にこの曲の素晴らしさを味わっていただけるよう、心をこめて演奏したいと思います。
サン=サーンス「アレグロ・アパッショナート」(演奏:中村 伴喜)
本人コメント(当日ナレーション)
高校、大学、社会人とオーケストラでコントラバス弾いていましたが、結婚、子育て、転勤などでしばらく全く弾いていませんでした。
一念発起して3年前に10数年ぶりに再開しました。
ブランクが長いこともあってか、今楽器弾いていてとても楽しいです。
コロナでオーケストラの本番が減る中、逆にテレワークで家で楽器を弾く時間が増えたので、ソロにもトライし始めました。
そしてたまたまインターネットでこの発表会を見つけて、「自分に試練を」と思って参加しました。
この曲のちょっと油っぽい雰囲気が少しでも出せればと思います。
フォーレ「夢の後に」/「子守唄」(演奏:T.K)
フォーレ「夢の後に」
フォーレ「子守唄」
本人コメント(当日ナレーション)
今回、コントラバス用の楽譜をいろいろ探していて、「子守歌」に辿り着き、先生のアドバイスで「夢の後に」と組み合わせることにしました。
自分にとってフォーレは、有名なレクイエムの他はあまり馴染みが少なく、少し遠い位置にある作曲家でしたが、「夢の後に」の原曲の歌曲を聴いて、夜の空を飛ぶという歌詞と曲想が一致した壮大さに惹かれました。
「子守歌」は優しい感じの曲ですが、「夢の後に」と同様に夜の雰囲気もある曲です。
フォーレの音楽を表現できたらと思います。
クーセヴィツキー コントラバス協奏曲第1楽章(演奏:竹村 雅彦)
本人コメント(当日ナレーション)
今回、5年ぶりの参加になります。
目標の曲の一つであったこの曲を、この場で挑戦させていただけることに、喜びを感じています。
今回は、第1楽章のみの挑戦になりますが、これから先、第2、第3楽章にも取り組んで、いつの日かオーケストラをバックに演奏し、思い切り恥をかきたいと思っています。
まだまだ拙い出来ですが、本日は少しでも楽しんでいただけたら、と思います。
ブルッフ「コル・ニドライ」(演奏:栗原 佳子)
本人コメント(当日ナレーション)
実は当初決めていた曲はこの曲ではありませんでした。
そもそもこのコル・ニドライのどこが良いのか分からず、発表会の曲には絶対選ばないだろうと思っていました。
でも前回の発表会で聞いたこのコル・ニドライに魅了され、曲の素晴らしさに気付きました。
ストラヴィンスキー「イタリア組曲」/スタンリー・マイヤーズ「カバティーナ」(演奏:甲斐澤 俊昭))
ストラヴィンスキー「イタリア組曲」
スタンリー・マイヤーズ「カバティーナ」
本人コメント
「プルチネルラ」というバレエをご存じでしょうか?
イタリアの作曲家ペルゴレージの音楽をもとに、今年没後50年を迎えるロシアの作曲家ストラヴィンスキーが音楽を担当し、又初演に当たってはパブロ・ピカソが美術を担当しました。
今日演奏する「イタリア組曲」は、このプルチネルラから5曲を選び、ストラヴィンスキーとチェリストであるピアティゴルスキーが合同でチェロ用に編曲したものです。
以前からこの曲に憧れていて、無理を承知でいつの日か演奏したいとチェロ用の楽譜を購入したのですが、重音などの奏法がコントラバスでは全く演奏不可能と諦めていました。
ところがつい最近、コントラバス用にアレンジされた楽譜が出版されたことを知り、大喜びで購入し、演奏することにしました。
コントラバスソロパートは弦楽器ならではの多彩な奏法が使われていて、結構な難曲です。
でもそれ以上に難しいのはピアノ伴奏パートです。
コントラバス用にアレンジされた楽譜はオーケストラチューニング用に書かれていますが、今回はソロチューニングで演奏します。
そのために、ピアノ伴奏の楽譜が全て一音ずつ上がりますので、ストラヴィンスキー自身がピアノの白鍵のみで弾けるからということで書いた難しい部分も、黒鍵が混じって困難を極めることになってしまいました。
しかし、そこは我らが誇る原田愛先生。
その音楽性とテクニックで見事に弾きこなしています。
また、この楽譜のアレンジに際しては、「さくらのうた」を弾いた久保田眞紀さん(彼女はチラシやプログラムの作成も担当しています。)が大活躍してくれました。
次回の独奏演奏会の出演者も広く募集中です。
詳しくは以下のページをご覧ください。