こちらのページでは、
2024年11月10日(日)に横浜で開催された
かいざわBassFamily コントラバス演奏会の
様子をご紹介しています。
【演奏曲目】
- ジョン・ウィリアムズ 映画「シンドラーのリスト」より「シンドラーのリストのテーマ」(演奏:竹内 由起子)
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ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」より「狩人の合唱」
パガニーニ 「妖精の踊り」より「主題」
[チェロとコントラバスのデュオ](演奏:加地 凜太郎 [Vc] / 加地 俊幸 [Cb]) - ピアソラ キーチョ(演奏:小作 英太)
- フォーレ シシリエンヌ
- ディッタースドルフ コントラバス協奏曲 1楽章(演奏:大山 星名)
- カサドシュ 「J.C.バッハのヴィオラ協奏曲」より第2楽章
- ドラゴネッティ アンダンテとロンド(演奏:久保田 眞紀)
- [コントラバスカルテット]
チャイコフスキー 「白鳥の湖」より「情景」 - エルガー 愛の挨拶(演奏:N.S)
- ミシェック コントラバスソナタ第1番 第1, 2楽章(演奏:中田 依子)
- コル.ニドライ(演奏:竹村 雅彦)
- メンデルスゾーン 無言歌(演奏:T.K)
- バッハ 「無伴奏チェロ組曲第6番」より「プレリュード」(演奏:加地 俊幸)
- フランク 「ヴァイオリン ソナタ イ長調」より 第3,4楽章(演奏:加地 俊幸)
- バッヘルベル カノン
- ドビュッシー 小舟にて
- ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
- 【アンコール】パラディス シシリエンヌ
講師演奏:甲斐澤 俊昭
以下、動画の公開を許可いただいた方のみ
掲載しています。
次回の演奏会の出演者も広く募集中です。
詳細はこちらをご覧ください。
ジョン・ウィリアムズ 映画「シンドラーのリスト」より「シンドラーのリストのテーマ」(演奏:竹内 由起子)
本人コメント(当日ナレーション)
ジョン・ウィリアムズと言えば、スターウォーズ、ハリーポッター、ジュラシックパークなど、高揚感溢れる美しいメロディと華麗なオーケストレーションで、知らない人はいない位の偉大な作曲家です。
そんな彼もこの映画の音楽を依頼された時は、私には荷が重すぎると一度は辞退したそうです。監督のスピルバーグも、連日悲惨なシーンの撮影が続き、辛さのあまり、史上最高のコメディアンと言われるロビン・ウィリアムズに電話して笑わせてもらったという逸話が残っています。第二次世界大戦中のユダヤ人大量虐殺を描いたこの映画は、名作ではありますが、心が潰れてしまいそうなほど重く苦しい内容です。その中でこの音楽は、暗闇の中の一筋のかすかな光のように感じられます。サウンドトラックではユダヤ人であるヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンが演奏しています。今日はコントラバスでお聴きください。
ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」より「狩人の合唱」
パガニーニ 「妖精の踊り」より「主題」
(演奏:加地 凜太郎 [Vc] / 加地 俊幸 [Cb])
本人コメント(当日ナレーション)
ぼくは0歳の時から、パパが出るこの発表会を聴きに来ていました。
今年、小学1年生になって、チェロがだんだん弾けるようになってきました。
今日は初めて、ここでパパと一緒に演奏することになりました。
頑張って弾くので、楽しく聴いてもらえると嬉しいです。(加地 凜太郎)
ピアソラ キーチョ(演奏:小作 英太)
ディッタースドルフ コントラバス協奏曲 1楽章(演奏:大山 星名)
本人コメント(当日ナレーション)
今年も実技試験で演奏する曲の1楽章を演奏します。
この曲はコントラバスのソロでよく演奏される有名な曲です。
前回よりもテンポが速く、高い音も沢山あります。特にフラジオという奏法が何度も出てきますが綺麗な音を響かせられるよう頑張ります。
今回も楽しみながら演奏します。
ドラゴネッティ アンダンテとロンド(演奏:久保田 眞紀)
本人コメント(当日ナレーション)
今回演奏する曲は18年前の2006年のこの会で演奏したのですが、再挑戦いたします。
若かったあの頃と熟した現在では、甲斐澤先生の長年のご指導のおかげで、当時は出来なかった事が出来るようになったことがとても多いです。前回の楽譜のメモを見ながら練習に取り組みましたが、曲への解釈も変わっている部分も多く、レッスンでの変更箇所も多々あり、18年寝かした楽しさがありました。
作曲者のドラゴネッティは非常に優れたコントラバス奏者で、恐るべき力とスタミナの持ち主として知られています。
今回演奏する「アンダンテとロンド」はとてもスタミナが必要なコントラバスオリジナル曲で、前回はスタミナが切れ、ただただ汗だくでヘトヘトになった苦い思い出があります。今回の演奏にあたり、体力づくりにも励みました。さて今回は無事完奏できるでしょうか…?!
コントラバスの持つ低音の響きを存分に発揮された曲です。原曲はソロチューニング用に書かれており、前回はソロチューニングで演奏しましたが、今回はコントラバスらしい音の追求のため、オーケストラチューニングで演奏いたします。
エルガー 愛の挨拶(演奏:N.S)
本人コメント(当日ナレーション)
愛の挨拶は、エルガーが恋人にプロポーズをする際に贈った曲だと言われています。楽譜を見ると簡単に思えますが、弾いてみると今まで弾いたことのない高い音が出てきたり。音の強弱やテンポ感など思うようにいかず、苦戦したところも沢山ありました。この曲はバイオリンで弾くというイメージが強いかもしれませんが、今回は音に深みのあるコントラバスでの愛の挨拶をお楽しみください。
ミシェック コントラバスソナタ第1番 第1, 2楽章(演奏:中田 依子)
本人コメント(当日ナレーション)
本日演奏するコントラバスソナタを作曲したアドルフ・ミシェクは、チェコの作曲家で、コントラバス奏者としても活躍した方です。
今回は、コントラバスソナタの1番の1.2楽章を演奏します。
ミシェクの曲は、コントラバスらしい低音から、オーケストラではほぼ使わない高音域まで、音域が幅広く、しかも、低音域と高音域がバランスよく組み合わされていて、コントラバスの音の魅力が詰まった曲だと思っています。
今回は、カルテットも演奏する都合上、本来であれば、ソロチューニングで演奏すべきところ、オーケストラチューニングで演奏します。
カルテットをオーケストラチューニングで演奏することが先に決まっていたので、ソロチューニングの曲を演奏することに迷いもあったのですが、弾いてみたい曲だったので、演奏することにしました。
オーケストラチューニングで演奏することで、少しでも、コントラバスらしい音が伝わるような演奏にしたいと思っています。
コル.ニドライ(演奏:竹村 雅彦
本人コメント(当日ナレーション)
今年の1月に60歳の誕生日を迎え、還暦となりました。
この節目の年に、大きな出会いがありました。
一つは、本日演奏させていただく、ブルッフ作曲のコル・ニドライ。
一方、私はパイプオルガンを習っており、そこで先生に紹介していただいた、現在練習中のパッヘルベル作曲のシャコンヌニ短調。
どちらも、生涯付き合いたい、と思えるほどの曲で、この2曲に出会えたのは、私の宝です。
この発表会一回きりではなく、さらに磨きをかけ、練り込んだ上で、いつの日か、またコル・ニドライをこの場で発表出来るよう、精進してまいります。
メンデルスゾーン 無言歌(演奏:T.K)
本人コメント(当日ナレーション)
メンデルスゾーンが亡くなった後、机から見つかった遺作とされる作品です。フランスのチェロ奏者に献呈されているそうです。
曲はメンデルスゾーンらしく、穏やかで親しみのあるメロディーで始まります。
中間部は一転して激しくなり、一息着いてから、再び最初のメロディーが戻ってきて穏やかになりますが、その中にも問いかけるような不思議な音が出てきて、静かになって終わります。
生涯を振り返るような中身の濃い曲です。
少しでも曲の良さが伝わるように演奏したいと思います。
バッハ 「無伴奏チェロ組曲第6番」より「プレリュード」(演奏:加地 俊幸)
本人コメント(当日ナレーション)
バッハの無伴奏チェロ組曲といえば、ヨーヨーマさんの演奏による第1番のプレリュードが有名ですが、今日はチェロ組曲の中でも一番複雑な、第6番から、プレリュードを演奏します。
バッハの音楽はその深遠さから宇宙を感じるとよく言われますが、この第6番はその最たるものだと感じています。
コントラバスでこの曲を弾くことで、通常のチェロよりもさらに深みのある低音と響きで、新たな味わいを生み出せればと思います。
フランク 「ヴァイオリン ソナタ イ長調」より 第3,4楽章(演奏:加地 俊幸)
本人コメント(当日ナレーション)
今回記念すべき第20回を迎えた甲斐澤門下のコントラバスコンサートですが、第1回より通算12回出演させていただきました。
この2つの楽章には、深い感情の対比と変化が描かれています。
第3楽章は、内に秘めた葛藤、悩みや苦しみ。
瞑想的な世界の中で、内省的な対話を織りなすように音楽が進んでいきます。
聴く人の心に影を落とすような、そんな印象の楽章です。
続く第4楽章は、その苦しみを抜けた後の悦び、幸福。
第3楽章のテーマも再び登場するのですが、昔の苦しんでいた自分を包み込むような優しさや、悩みをを完全に克服した力強さが感じられます。
曲が進むにつれて音楽が高揚し、喜びへと向かっていく流れは、人が困難を乗り越えた先にある、希望を感じさせてくれます。
そんな物語を、感じていただけましたら嬉しいです。
講師演奏:甲斐澤 俊昭
ドビュッシー 小舟にて
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
【アンコール】パラディス シシリエンヌ
本人コメント
コントラバスでソロのコンサートをする時、まず決めなくてはならないのは、チューニングの問題です。
大きく2つに分けると、最も一般的で、オーケストラでの演奏時で使うオーケストラチューニングか、それぞれの弦を一音づつ高く上げたソロチューニングのどちらかです。
過去の自分のリサイタルでは主にソロチューニングを選んできました。
しかし最近になり、40数年間にわたるオーケストラの演奏経験が身についているせいか、ソロチューニングに違和感を覚えることがあり、今回のソロでは慣れ親しんだオーケストラチューニングで演奏することを選びました。
そして、コントラバスらしい存在感の示す低音域を敢えて多く使うアレンジをした音楽を演奏します。
次回の独奏演奏会の出演者も広く募集中です。
詳しくは以下のページをご覧ください。